土曜の現場監理時点では、前回お話した内部階段のささら桁や段板の加工が始まっていました。
階段は住宅全体のなかで、最も大工の腕を必要とし、又、手間のかかる個所のひとつです。前回お話した内容の写真をお見せ出来るのはもう少し先になりそうです。
内部の間仕切り下地の間柱や一部天井を張る部分の野縁等の工事も終わり、1階子供室壁の杉縁甲板が張り始められていました。5月初めのゴールデンウイークでの入居を目指して、工事は急ピッチで進んでいます。
監理者としても、冷暖房・換気、給排水、照明・コンセント、情報配線などの設備関係機器の最終的な見直しや取り付け位置、配管・配線の為の梁や外壁の貫通穴位置寸法などの決定等、規模もあり、設備も多岐にわたるだけに、それらの作業に悪戦苦闘しています。
機能的な問題だけではなく、それらは最終的に意匠的(デザイン的)見え方にもかかわってきますので、気が抜けません。
そして、家具製作図の検討チェックが進行中で、今週末には内部建具の現場打ち合わせが始まります。
並行して、外壁の金属サイデイングの施工が板金工の手で始まっており、長尺ものの材料の搬入、一時置きの為、いつもは工事用の車で埋まっている北側道路側敷地がたまたま空いていました。北側外観の写真が撮れましたので、今日はそれをお見せしたいと思います。

住宅の建つ敷地レベルは北側道路からちょうど1階分下がっていますので、北側からは、平屋のように見え、大きく屋根も見えます。
この住宅では、そうした敷地の高低差を利用して2階が玄関になっています。
規模のやや大きい住宅なので、通常ですとそびえるように見える筈ですが、そのお陰で威圧感を与えることなくおさまり、かえって良かったのではないかと思います。
母屋から屋根が大きく下がって、玄関前の軒がぐっと低くおさまり、おおらかで落ち着いた表情を見せることになりました。
母屋と北側道路境界に続く2.7mほどの敷地との間は厚さ30mmの米ヒバすのこ敷きの木製デッキになります。
北側でなおかつ道路に面していますので、陰鬱にならないように、又、防犯の為にも、出来るだけ解放的で風が通るように心がけました。
母屋壁面から1間離れた105角のこれも米ヒバの列柱はその裏の自転車置き場を見え隠れに隠す為のものです。
内部ではほとんど杉材を使っていますが、外部では水に極めて強い米ヒバを採用しています。
右側の壁の裏側は外部用の収納戸棚になります。
左側の養生ネットが張られている部分の母屋内部は食堂で、さらに奥に居間が続きます。
夏季、居間南側開口から入った風が北側食堂を経由して吹き抜けます。敷地の形状から、養生ネット部分に生まれるそこそこの広さのスペースには2階まで伸びる樹木数本を植え、その枝の広がりや季節ごとに変化してゆく梢の緑を居間・食堂から楽しめます。道路から距離を確保し、道行く人の視線をこの緑で遮ると同時に、逆に、この樹木が緑の点景として、街並みを豊かにします。
こうした構想が基本設計初期段階で、この住宅の内部空間の配置の骨格をまず決定づけることになりました。
屋根の上に飛び出た部分は、前回お話した内部階段上部でこの裏南側が例の高原のように展開する大パノラマを見渡すルーフデッキで、大屋根のアクセントにもなっています。