第1章/真壁 08/垂木の扱い |
真壁構法の場合、これも上記と同じ扱いとして、勿論構わないのであるが、これまで述べてきたように柱・梁・根太等に120角他大ぶりな寸面を採用するのに合わせ、モヤ間隔@1820、垂木105角@910(杉)を採用している。これも野地板に厚24等の広幅厚板を採用することで可能になる世界である。これら、モヤ、垂木、野地板も、2階根太、床板同様、出来るだけ天井を張らず、化粧表しとする。
断熱は野地板上に外断熱で施工し、防水通気シートを敷き、その上に通気層を確保する。
尚、準防火地域、延焼の恐れのある部分で防火構造あるいは準耐火構造にすべき軒裏を垂木、野地板現わしとしたい場合は、野地板を厚30以上とし軒面戸板を厚45以上とすればクリアする。(平成12年建設省告示第1359号第二第一号、平成12建設省告示第1358号第五第二号ハ)
105角の垂木をモヤ@1820に固定するには、コーチボルトを使用することを、真壁に取り組み始めた頃、土佐派の建築家から教えて頂いた。但しこの場合、コーチボルトの頭部を垂木天端下に隠す為にモヤにあらかじめ座彫りし、かつコーチボルト用先行穴をあけなければならない。座彫りに要する手間や断面欠損もばかにならない。さらに自然乾燥材を使用した場合の乾燥割れも気になる。
シネジック(株)(旧東日本パワーファスニング㈱)から、タルキックⅡなるビスが発売されている。ビス1本でひねり金物ST-12同等以上の耐力を持つと云うことなので、垂木105角@910であればTK5×150Ⅱ(垂木成105以下用)×2本でいけそうである。自然乾燥材であれば背割りを施し、背割を上に向け背割り両側このビスを使用したらどうだろう。コーチボルトの場合のように、座彫りも、先行穴も必要ないので、施工性はすこぶる良い。