新潟県中越沖地震! |
朝、10時10分のNHK「心の仏像」が始まって間もなく、その報道に切り替わり
そのまま、現地実況がテレビ画面に流れ続けています。
木造建物についていえば、淡々と写し出される、現地の映像を見ていると、倒れて大破しているものと、内部は分かりませんが、意外としっかりと残ったものが、同じ地域に、隣り合わせて写し出されているのに気付きます。
瓦屋根の頭の思い、しかも多分、足元の耐力壁の不足しているであろうと想像されるもの、
あるいは、土壁の築年数の明らかに古いもの等。そうした住宅が倒壊しているのが目に付きます。
間近に見れば、もっと倒壊のディテールを知ることが出来るに違い有りません。
瓦屋根が悪いのではなく、その重さに見合った、耐力壁量が計画されていないことが原因なのだと思います。お寺、酒づくりの工場など、内部に耐力壁が取りにくいものなどの倒壊が目立ちます。勿論、「耐力壁」といった設計概念が無かった時期の建物であれば、止むを得ないことなのかもしれません。
一時期、住宅にもブームのあった土壁も、小舞をかいた本格的な土壁の場合、時間が経つと粘りが無くなり、耐震性を弱めるようです。軸組み全体の老朽化も手伝っているようです。 柱脚のほぞがスポッと抜けている映像も映し出されました。土壁や、金物を使わない伝統構法も、とても魅力的ではあるけれど、その長所、弱点を見抜いての設計が必要だと、最近、強く実感しています。
途中、民法テレビにチャンネルを切り替えてみると、次々とクローズアップされた倒壊現場を、若いアナウンサーが興奮気味に伝えている映像が映し出されました。倒れていない建物もあることを映像は伝えていません。現地の全建物が倒壊してしまったような印象を、見る者に与えてしまうに違い有りません。勿論、現地全体が大きな被害をこうむっていることは事実ですが。
報道の仕方で、事実が少なからず歪められてしまう、と言う印象を持ちました。