野口泰司建築工房 建築日記:MAINTENANCE
2017-08-02T12:48:59+09:00
noguchintk
建築活動の中で心動かされた事など
Excite Blog
創造的住宅メンテナンスの必要性-N邸10年目メンテナンス工事から
http://noguchintk.exblog.jp/23496899/
2016-09-18T19:40:00+09:00
2017-08-02T12:48:59+09:00
2016-09-18T19:40:18+09:00
noguchintk
MAINTENANCE
この機会に外部まわり木部の紫外線や降雨による劣化の使用部位別進行状況の確認を徹底し、その傾向を把握した上で、他のサイデイング(外壁)やガルバリウム鋼板(屋根・水切)も含めた塗り替えサイクルにも配慮した最適塗装仕様を探ろうと、研究心を秘かに燃やしていた。
写真をお見せしながら、その一端を、報告したいと思う。
塗料は塗膜系(エナメル系)を関西ペイント、浸透系木材保護塗料は大阪ガスケミカルズのキシラデコール(元々化学工業のサドリンクラシックも合わせて検討)、シールはコニシにしつこく聞き込み、選定した。
上の写真は北側道路から見た、外観である。
外壁は窯業系サイデイング。初期塗装はリシン状の工場塗装である。
高圧洗浄の上、SRシールNB50(専用プライマー塗布の上)でのシール打ち替え後、アレスダイナミックフィラー下塗+アレスダイナミックTOP2回塗。
一般的に使用されているウレタン系(塗り替えサイクル7~8年)、シリコン系(同10年)に対して、ダイナミックTOPの塗り替えサイクルは15年弱(いずれもメーカー想定)で、しかもシリコン系と同価格と言うエナメル系塗料が開発されていた!
外壁塗装は足場が必要となるので、足場の必要な屋根軒先廻り木部塗装も、必然的に同等の塗り替えサイクルを実現出来れば理想的だ。
しかしながら、木部塗装は、一般的には、その伸縮や(ヒビ)割れに追従し木の呼吸を妨げず木の素材感を損ねない浸透系の木材保護塗料がベストと言われているが、その塗り替えサイクルは残念ながら5年ほどである。
軒先廻り木部の劣化状況を調べると、以下が判明した。
破風板(屋根ケラバ側先端)が紫外線、降雨の影響をもろに受けて劣化の進行が進み気味だが、幕板(屋根水下側先端)は軒樋がカバーしているせいか、それほど劣化していない。軒裏はさらに劣化の状況にない。
そこで、知恵を絞った。
破風板は、この際カラーガルバリウム鋼板巻*とする。軒樋付の幕板は樋・その支持金物を外してガルバリウム鋼板巻とするのは避けたいので、塗膜系(エナメル系)ではあるが木部用に開発された、カンペ1液M木部用下塗HGの上カンペ1液MシリコンHG(塗り替えサイクル10年ほどが想定されるが、軒樋にカバーされているので15年を期待する)塗りとする。軒裏は紫外線、降雨による影響がほぼないとみて、木材保護塗料塗りとした。
*ガルバリウム鋼板素地は海岸地方・工場地帯での20年暴露試験で赤サビの発生ナシの結果が報告されているすぐれ物である。焼き付け塗装層の塗り替えサイクルは退色を気にすれば10年程度と見られるが、錆ないと言う性能は30年以上を想定出来る。)
尚、外壁塗装のカラーは、新築時既製品色からの選択でやや不満を残していた薄めのグレーから、ダークグレーに変更、樋他も同カラーで統一し、念願の色彩計画を実現しグッと良い感じになった。
南側道路からの外観。造園事務所アトリエたねの植栽でほぼ形はベール状に隠されているが、主屋2階上部や塔屋(物見台)の屋根先端の破風板、樋付幕板が前記仕様でそれぞれカラーガルバリウム鋼板、カンペ1液MシリコンHGで仕上げられている。破風板下に1段平行に見えている(ケラバ側)垂木側面も劣化が進み気味と判断し、現場変更して木部塗装色に色合わせしたカラーガルバリウム鋼板張りとした。
2階木製バルコニーは、足場なしで塗装可能なので、木の質感を残し、木材保護塗料キシラデコール塗とした。但し、塗り替えサイクルは5年となってしまう(もう少し塗り替えサイクルの長い塗料の開発が望まれる)。割れ部のシールはボンド変性シリコンコーク・クリヤーを後施工した。変性シリコンコークのクリヤーはこれまで発売されていなかった、これも新発売の製品である。
メンテナンス工事も真剣に取り組むと、新築時の住宅をより創造的にブラシュアップ出来るだけでなく、劣化の進行をも踏まえた以降のより有効な維持設計を可能にしていく仕事であることに気づかされた。
設計・監理以降のメンテナンスも含めて、我々の一連の仕事と捉えることの必要性を再認識すべきと考えるに至り、貴重な経験をさせて頂いたと感謝している。
尚、今回の工事と並行して、自主的に当時の耐震計画の再チェックも行った。]]>
手入れが行き届いた建築はキラキラしている!
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2009-02-04T23:21:00+09:00
2009-02-05T23:32:03+09:00
2009-02-04T23:21:10+09:00
noguchintk
MAINTENANCE
ところで、これら以外に、日本を代表する建築家槇文彦設計のYKKのゲストハウス「前沢ガーデンハウス」を見学できることを、私のみならず、仲間皆が、とても期待していました。
残念ながら、時間がずれこみ、日がとっぷり落ち、外観も確認出来ない暗闇の中の到着となってしまいまい、現在使用されていないというこの建築に急遽照明のスイッチがいれられての見学となってしまいました。
見学しましたが、印象はいまいちでした。仲間のO氏からも、「あまりよくないね」との感想を聞きました。
しかし、私はその原因がこの建築自身にでなく、この建築が使われていないで放置されていることにあると気づいていました。
自分自身が設計した住宅を訪ねることがよくあります。そして、自分の記憶以上に、その住宅が素晴らしく見え、改めて見直してしまい嬉しくなってしまうことがよく有ります。
一方、記憶以下の印象にちょっと気落ちしてしまうこともあるのです。
体験的に言えば、その理由は、多くの場合、その住宅が住み手に大切にされ掃除が行き届ききちんとしているかどうかにあると、かなりはっきり、いや、確信をもって言えるような気がします。
きちんとしている住宅は、竣工時皆で感動した時のように、生き生きしていて、キラキラしているのです。
住宅に限らず建築全てに、言えることかと思います。
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