風に吹かれて。 |
気持ちが良くて、ゆったりした感じがあって、私の好きな言葉ですが、
今日は体感温度の第3弾、「気流環境」について、お話してみようと思います。
気流や風は、体の表面の熱を、あるいは水分を気化し奪っていきます。
気化する時に必要な気化熱、これも体表面の温度を下げることに加担します。
この結果、人は、気流の速度、あるいは風速「1m/秒あたり1℃」ほど低く、
温度を体感することになります。
夏よく吹く卓越風、秒速3mの風は体感温度を気温より3℃下げてくれることになります。
3℃、結構大きな数値です。(卓越風=その地域、季節によく吹く一定方向の風)
日本の蒸し暑い夏にとって、住まいの通風計画がとても
大切なことが、数値的に理解出来ます。
夏、木陰で「風に吹かれる」ことの心地よさは、太陽からの輻射熱を遮り、
風により体感温度が下がる二重の効果から生まれていることになります。
一方、冬、窓面や北側外壁面で冷やされた空気が吹き降りてくる「コールドドラフト」
と呼ばれる現象は、冷たい気流が、体感温度を下げ、人を極めて不快にさせます。
コールドドラフト対策も、寒い日本の冬にとって、忘れてはならない注意項目です。
窓の大きさと位置や開閉形式、サッシの断熱性能、雨戸やカーテン、ブラインド、
屋根や壁の断熱、これらの計画全てが、「気流環境」にかかわってきます。