照明器具世界のちょっとした大きな出来事。 |
東芝が、白熱灯の生産を全面的に止め、全照明を蛍光灯に切り替えることに決定したと言うのです。更に、松下も同様の切り替えを考えていくと言うことです。
日本の住宅照明器具の圧倒的シェアを持つ松下が蛍光灯に移行するとなると、これは極めて大きな事件です。
デザイン指向の強い住宅作家の多くは、白熱灯熱愛者です。確かに、白熱灯と蛍光灯の差は
調味料で言えば自然塩と電気分解精製塩ほどの差が有り、白熱灯の発するやわらかでニュアンスのある光あるいはそのコンパクトさは捨てがたいものがあります。
又歴史の長い白熱灯器具は、品揃えも豊富でデザイン的にも優れたものが少なくありません。
新参ものの蛍光灯はその点で、どうしても見劣りしてしまうと言わざるを得ません。
しかしながら一方で、白熱灯100ワットの明るさ相当を25ワットほどで出せ、寿命も圧倒的に長い蛍光灯の省エネルギー性は、まったなしの地球温暖化防止への貢献度を考えると、照明世界の救世主的存在であることも間違い有りません。
白熱灯100ワットのダウンライトを惜しげも無くバンバン使っている仲間の設計した住宅を見て、そのデザイン性に感心しながらも、胸を痛めたのを思い出します。
蛍光灯に切り替わって、魅力的照明器具の出揃うことを、心から期待します。